公益社団法人下関法人会では、国税庁の広報週間「税を考える週間」(毎年11/11~11/17)に併せ、下関納税貯蓄組合連合会主催のコンクールに協賛し、優秀作品には下関法人会会長賞を贈呈しています。
令和5年度公益社団法人下関法人会 会長賞 受賞作品をそれぞれ2点ご紹介します。

 

令和5年度 中学生の税についての書写

【納税準備預金】

公益社団法人下関法人会会長賞

下関市立安岡中学校 2年 小野 夏蓮 さん

【納税意識】

公益社団法人下関法人会会長賞

下関市立長府中学校 3年 松本 菜々香 さん

 

令和5年度 中学生の税についての作文

公益社団法人下関法人会会長賞

下関市立長成中学校 1年 安永 桜子 さん

「地球の環境を守るための税金」

 暑い日が続き、部屋のエアコンが欠かせない。エアコンの電気は、主に火力発電所で発電されている。それには化石燃料が使われ、温暖化の最大の原因であるCO2を排出している。エアコンを使えば使うほど、CO2の排出量が増え、温暖化に拍車がかかる。このような状況下において、世界ではできるだけCO2を排出しない、地球環境にやさしい「脱炭素社会」を目指す動きが進んでいる。
 そこで、私たちの社会を暮らしやすくするために使われる様々な税金のうち、環境を守るための税金があるかどうか調べてみた。すると、「地球温暖化対策のための税金」という税が電気料金にかけられることが分かった。
これは「環境税」と呼ばれ、日本では二〇一二年一〇月からスタートした。ヨーロッパではすでに一九九〇年頃から、」フィンランドやスウェーデン、イギリス、ドイツで、それぞれ「炭素税」、「気候変動税」、「鉱油・電気税」と呼ばれる日本と同じような税金が導入されている。税金をかけることで電気料金が上がる。そうなると電気料金を抑えようと節電意識が高まる。これがねらいである。集められた税金は、省エネ対策や化石燃料に代わる風力や太陽光発電などの環境にやさしいエネルギーへ変換していく事業に使われるそうだ。
 私はこのことを知り、私たちの払う税金は日本だけでなく、「地球温暖化」という世界全体で解決していかなくてはならない問題のためにも使われていることにとても驚いた。  もちろん、この「環境税」を払うことが、直接、地球温暖化への解決策になるのではない。
私たち自身が化石燃料の使用を減らす努力を続けなければならない。だが、こうした税金があることで、少しでも地球温暖化を防ぎ、地球にやさしい環境をつくっていくきっかけになるのであれば、とても素晴らしい税金の使われ方だと思う。
 これまで、税金を納める意義について、深く考えたことがなかったが、私たちの生活や社会を支え続けていくための必要な経費として使われる税金の大切さを知ると、税金とは「みんなが安心、安全に暮らせる保険金をみんなで負担する仕組み」のようなものだと感じた。
 これからも大きな自然災害や事故、また、社会や経済の急激な変化によって私たちの日々の生活が困るような状況がやって来るかもしれない。しかし、そのような時にも、確実に私たちを助け、守ってくれる心強い「保険金」,それが税金である。税金をこのようにとらえると、納税の大切さを私たちはもっと学ぶべきだと思う。
 二〇二四年度から新たに「森林環境税」が始まる。環境保護に対して、「環境税」がどう使われていくのか、その使われ方は適切なのかを判断できる力を養っていきたい。地球環境と私たちの未来のために。

 


公益社団法人下関法人会会長賞

下関市立日新中学校 3年 河村 眞子 さん

 

「食品ロスと税金の意外な関係性」

 ある日の夕方、母とスーパーに行ったとき値引きシールの貼られたお惣菜を母は嬉しそうに買っていた。値引きシールの貼られたお惣菜はよく売れてはいたが、それでもまだまだ残っていて閉店時間までには全部売れそうにはなかった。帰宅し、夕食にそのお惣菜を食べたが、もちろん味はおいしかった。スーパーで見た残ったお惣菜を思い出して、「あのまま売れ残ったら捨てるのだろうな。まだ食べられるのに、もったいないな。」と思った。
 実際にどのくらいの食べ物が無駄になっているのか気になり、ネットで調べて見ることにした。まだ食べられるのに廃棄される食品のことを「食品ロス」というらしい。令和四年六月の農林水産省の発表資料によると、日本では毎年約五百二十二万トンの食べ物が食べられずに捨てられていると計算されておりこれは世界全体が援助している食料の量の約二倍に相当しているようだ。(日本もったいない食品センター「日本の食品ロスの現状」より)こうした現実に懸念の声が高まり、二〇一五年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)にも、「二〇三〇年まで、小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させる」という目標が掲げられた。
 また、最も衝撃だったのが捨てられた食べ物をゴミとして処理するために燃料が使われ温暖化に寄与するだけではなく、処理するための費用が税金から支払われているということだ。環境省が発表している年間のごみ(一般廃棄物)処理費用は各自治体の合計値で約二兆八百八十五億円ほどであり、食べられる食品を廃棄するために、国民一人当たり年間約千四百三十一円お金を支払っている計算になるらしい。
 そういえば、売れ残ったクリスマスケーキや恵方巻が大量廃棄されているニュースを以前テレビで見たことがあった。「もったいないなぁ。」と思っていたが、私たちがその処分費用を支払っていたなんて知らなかった。「もったいない」の一言では済まされない現実だった。
 私たちが納めた税金は様々なところで使われている。例えば、公立の小・中学校の場合教科書やパソコン、実験器具など、また将来私たちの生活に役立つように、宇宙開発や科学技術の研究などにも税金が使われている。もちろん、生活していればゴミも出るし、きれいな街づくりのためにゴミの処理費用は大切であるし必要だが、まだ食べられるのに廃棄されるゴミの処理費用に多額の税金を使ってしまうのは、本当にもったいない。食品ロスは、私たちの一人ひとりの努力でいくらでも削減できると思う。食品ロスにかかる税金を削減し、他のより多くの社会貢献に税金を活用していくことが、持続可能な社会の実現のために私たちができることなのではないか。